《会話でわかる心理学》両極端な考え方に苦しむ人へ。

   
さいとうよしゆきの、心理コラムへようこそ^^!
   
この記事は、「私には自信が無い…」「私には価値が無い…」という
自己否定感を抱きやすい人に向けた記事です。
    
心理学を面白おかしくわかりやすく、会話形式で書いております。
    
  

第4話「斉藤さんとカウンセラー」

  
《登場人物》

斉藤さん
31歳女性。職業は看護師。独身、彼氏無し。一人暮らしで猫を飼っている。
朝6時に起床し出社、忙しい病棟であるため帰宅はいつも21時過ぎ。
平日はほぼ寝るためだけに帰宅しており、土日も昼過ぎまで寝てしまうことが多い。
実は看護師になることが夢では無く、自分の将来を真剣に考えようと思っているが
日々に忙殺され、将来に向き合う暇もなく毎日を悶々と過ごしている。
自己否定的で自信が無く、人の顔色を気にしがち。自分など価値がないと
思っているため人に甘えることができず、日常的にさまざまな場面で生き辛さを感じる《自己否定症候群》という状態に陥っている。

カウンセラーさん
年齢不詳の男性。推定35歳前後?自らを心理カウンセラーだと名乗りつつも
生活苦のため様々なアルバイトをこなしつつ過ごしている。
斉藤さんとは対照的な性格で、なぜか自信満々で豪快。声が大きい。
黙っていればかなりのイケメン。

 

やっぱり、私はダメな人…

 
   
ーPM22時「某牛丼チェーン店」ー
   
斉藤さん
「…」
   
  
斉藤さん
「もうヤダ、もうダメ、もう死ぬ…ぶつぶつ」
   
   
斉藤さん
「自信ある私に変わるって決めたのに…頑張るってきめたのに…」
   
   
斉藤さん
「もう、仕事行きたく無いよ…私なんて…」
  
   
   
〜〜〜同日4時間前「勤務先の病院」〜〜〜
   
   
    
斉藤さん
「18時…めずらしく、今日は早く帰れるかも!」
   
  
斉藤さん
「今日は私、頑張ったな。仕事でもミスが無かったし、
コミュニケーションも、結構いい感じだったかも。
私、ちょっとは成長してるかな…頑張った私のために、
帰りに、ハーゲンダッツ買おうっと」
     
      
上司
「斉藤さん!103号の患者さんの採血結果、どうだった?」
   
   
斉藤さん
「え!さ、採血…?そんな指示、ありましたっけ…?」
  
   
上司
「え!もしかして、採血終わってないの!?どうするのよ、
明日、週末だから検査科休みよ?結果出るの来週になるじゃない!」
   
   
斉藤さん
「わ、私、本当にそんな指示聞いてなくて…」
   
   
上司
「聞いてなくても、チェックしとくべきでしょ?
何年看護師やってるの?責任もって、先生に報告しとくのよ」
  
   
斉藤さん
「す、すみませんでした…」
  
   
   
〜〜〜〜〜〜
  
     
   
斉藤さん
「最悪。」
  
   
斉藤さん
「最悪最悪最悪。私、もう本当ダメウーマン。」
  
   
斉藤さん
「30過ぎの女が一人で牛丼なんかに食べに来ちゃってるし…
彼氏もいなくて家に帰っても猫と寝るしかいないし。
女としても、もう、終わってるパターンだよ…」
   
   
  
   
  
…コロコロコロ…!
   
   
  
   
  
斉藤さん
「えっ…!?」
   
  
斉藤さん
「卵が、カウンターを転がってくる…?」
     
   
  
   
  
…ピタァ…ッ!
   
   
  
   
  
斉藤さん
「わ、私の前で、止まった!」
  
  
   

店員
「…あちらのお客様からだ!!」

   
   
   
斉藤さん
「!!ま、まさか…この大きな声は…!」
   
   
  
カウンセラー
「また会ったな!そう!みんなの食卓でありたい!カウンセラーだよ!」
  
   
   
斉藤さん
「こ、こんどは牛丼屋さんでバイトしてるんですか…?
しかも、これ、どちらのお客様からでもなく、
あなたが転がしてきたんじゃないですか…」
  
   
カウンセラー
「まぁそう言うな!一度、言ってみたくてな…!」
   
   
斉藤さん
「たぶん、絶対言う場所間違えてると思います…」
   
    
カウンセラー
「それより、今日はどうした。お前はいつも元気が無いが、
今日は一段と、丼の底に食べ残された、くたびれた玉葱のような顔になっているぞ」
   
   
斉藤さん
「ど、どんな顔…?でも…はい…確かに色々あって…
って、仕事中じゃないんですか?」
   
    
カウンセラー
「気にするな!今日一緒のシフトに入っている、
ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジさんは働き者だから、
少しくらいなら大丈夫だ!」
   
   
斉藤さん
「え…それって、朝青…」
   
    
カウンセラー
「まずは話せ。何があったかと聞いているんだ」
  
   
斉藤さん
「は…はい、あの、実は…」
  
   
カウンセラー
「なるほどな」
  
   
斉藤さん
「いや、何で伝わったの!?まだ何も言ってないから!!」
   
   
カウンセラー
「カウンセラーだからな」
   
   
斉藤さん
「意味不明だし、普通に恐いです!」
   
   

全か無かの思考

   
  

   
カウンセラー
「要するにお前は、”結局変わることができなかった自分”に対し落ち込んでいる訳だな?」
  
   
斉藤さん
「はい…カウンセラーさんに教わって、色々頑張ったんですが…
やっぱり私はダメな人間です。結局、変わることなんて…」
   
   
カウンセラー
「…お前という奴は…」
  
   
斉藤さん
「か、カウンセラーさん?」
  
   
カウンセラー
「牛丼を食い終わったお前の”ごちそうさまでした”という挨拶を、敢えて無視してやろうか!!」

   
   
斉藤さん
「せ、切なくなるからそれだけはやめてください!!」
  
   
カウンセラー
「仕方ない。仕事で落ち込み、一人牛丼に来ている寂しいお前に、
今日は”全か無か思考”という話をしてやろう」
   
   
斉藤さん
「は、はい…」 
   
  
カウンセラー
「頑張っていても、一度の失敗で、今までの全てが無駄になると感じていないか!?」
  
   
斉藤さん
「こ、今回の件はまさにそう考えています」
  
   
カウンセラー
「31にもなって恋人も居ない私は、負け組だと感じていないか!?」
  
   
斉藤さん
「うぐっ…」
  
  
カウンセラー
「そんな自分は、最低だなどと思ってはいないか!?」
  
   
斉藤さん
「お、思ってます…」
   
   
カウンセラー
「ではまず、そのような無駄な考えを全てまとめて、
そちらの返却口へとお戻しください」
  
   
斉藤さん
「む、無駄…」
   
   
カウンセラー
「そうだ。そのように、成功か失敗か、正しいか間違ってるか、善か悪か、
勝ち組か負け組か、など、選択肢を2つに絞って考えてしまう偏った考え方を
全か無か思考という」
  
   
斉藤さん
「全か、無か思考…」
  
   
カウンセラー
「この考えに囚われると、苦しいものだ。何しろ、どれだけ重要な過程を
踏んで来ても、一度失敗するだけで、自らその功績を0にしてしまうのだからな」
   
   
斉藤さん
「まるで今の私のことですね…」
   
    
カウンセラー
「つまりお前は、ただ、”全か無か思考”という歪んだ考えに
囚われてしまっているに過ぎないんだ。人は、そのような傾向に
陥りやすいのだと、心理学では、認知療法という分野において証明されている。」
  
   
斉藤さん
「そう…なんですね…」
  
   
カウンセラー
「では聞くが、お前は、大切な友人が失敗をしたときに、
それで友人の価値が0になったと思うか?」
  
  
斉藤さん
「い、いえ!それだけで友達の価値が0になるなんて絶対思いません!
頑張った過程もあるだろうし、失敗だって、必ず良い経験になるはずです!」
   
   
カウンセラー
「そうか。では、そのような考えを持つお前が、もし、その大切な友人が、
今のお前のように小さな失敗によって激しく悲観していたら、
どのように声かけをしてやるんだ」
   
   
斉藤さん
「…」
  
  
斉藤さん
「大丈夫だよ…って。」
  
   
カウンセラー
「…」
   
     
  
   
   
斉藤さん
「大丈夫だよ。あなたは、今回たまたま失敗しただけ。それだけで、あなたの価値が無くなるなんて絶対にない。あなたは普段から、とても頑張り屋さんな、素敵な人なんだから。」

    
  
  
  
     
カウンセラー
「…そうか。ではその言葉を、何より、お前自身の心に届けてやるんだな」
  
   
斉藤さん
「…う…は、はぃ…」
  
   
カウンセラー
「フッ…泣いているのか?紙ナプキンだ、使え…」
  
  
斉藤さん
「そこは、ハンカチを渡してください…うう…」
   
  

全か無かの思考からの脱出

  
     
斉藤さん
「私が、全か、無かの思考に囚われてしまっていることがわかりました。
自信が無い自分だと、つい、ネガティブな考えが大きく見えちゃいますね」
    
   
カウンセラー
「そうだな。だが、苦しい考えというものに気がつくと、客観的にそれを
見直すことができる。全か無か思考から抜け出すコツは次の通りだ」
     
   

①結果と、自分の成長を切り離せ。
  
結果と、過程を一緒くたにするな。次回、失敗に落ち込みそうになったら、
過程の中にあるお前の成長と、結果をしっかり切り分けて考えろ。
  
⇒(例)Cという仕事は、結果的に失敗してしまったけれど
過程としては、AとBは上手く行った。結果として、良いものを得られた。
     
    
②「or」ではなく「and」で考えろ。
   
「失敗か、(or)成功か」⇒「失敗もあれば、(and)成功もある。」
「悪人か、(or)善人か」⇒「悪人もいるし、(and)善人もいる。」
「最悪な1日か、(or)素敵な1日か」⇒「悪くこともあった日だったけど、(and)良い事もあった。」  
   
「and」で考えると「〜か、〜しかない」というように、思考の幅を狭めてまう。
「or」と考えることで、ネガティブなこと、ポジティブなことの
両側面を見つめ直し、受容することができるようになる。
  
また、心理学には「親近効果」とうものがある。
(物事の最後に起こったことが記憶に残りやすい心理効果)
従って、「and思考」をするときは、「(ポジティブな物事)+(ネガティブな物事)」という順で考えるより
「(ネガティブな物事)+(ポジティブな物事)」の順番で考えると、気持ちが明るくなるものだ。
  
      
③常に、あらゆる選択肢があるのだと意識しろ。
  
全か無か思考で判断すると、情報が限定的にしか考えられない。例えば、
「息子は野球か、サッカーをやる」という判断は限定的だ。
そうではなく、息子がスポーツに興味があるなら、もっと興味を持つスポーツは何だろうか、
あるいはスポーツ以外でも楽しめる活動は何だろうかと考えてみる。

思考の道は、2つではないと冷静に考えればわかるだろう。
思考の道は、常に多岐に渡るのだ。

  

思考のオセロゲーム

      
斉藤さん
「なるほど…冷静に考えると、選択肢は2つだけでないとわかりますね。
せっかく、得たものがあるのに、”ダメだった”と結論付けてしまうことはもったいないです」
     
   
カウンセラー
「ああ。思考は、オセロゲームのようなものだ。
成功という、白の石をどれだけ並べても、
失敗という、黒の石がひとつ置かれるだけで、全てが黒に裏返ったと考えてしまう事もある。しかし、今まで並べてきた白い石にこそ、大きな大きな意味がある」
   
   
斉藤さん
「そうですよね…!」
   
   
カウンセラー
「頑張ってきたその先に、黒の石を置くこともできる。しかし、
白の石を置くということも、俺たちは自分で決めることができるんだよ
   
   
斉藤さん
「はい。そうですね。白い石を置くにはどうしたら良いか。
選択肢を広げて、考えてみたいと思います。」
  
   
カウンセラー
「うむ!!」
    
  
斉藤さん
「あ、あの…ところで、さっきからドルゴルスレンギーン・ダグワドルジさんが
すごい顔でこちらをにらんでますけど…」
   
   
カウンセラー
「何!?」
   
   
  
ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ店長
「チョット!
ハナシテバッカリイルンジャナイワヨ!!
オマエガハナシコンデルカラ、キャク、メッチャナラビマクリジャナイ!!
オマエ、キョウデ、クビ!キョウガ、オマエノ、センシュウラク!!」
   

   
   
カウンセラー
「て、店長!そんな!!」
   
   
斉藤さん
「や、やっぱり朝青…ていうか、店長!?しかも女の人だったの!?
突っ込みどころが多過ぎる!」
   
   
カウンセラー
「…」
    
   
斉藤さん
「ご、ごめんなさいカウンセラーさん…私が落ち込んでたばっかりに…」
   
   
カウンセラー
「…」
  
   
カウンセラー
「最高じゃないか!!」
  
   
斉藤さん
「え!?」
   
   
カウンセラー
「この話もそろそろ終わるし、こんなマンガみたいなお約束の終わり方は
なかなか無いぞ!さすが、俺だ!!」
   
   
斉藤さん
「は、はぁ…いろんな考え方があるんだなぁ…」
   
    
カウンセラー
「お前も、食ったならとっとと帰れ!460円です!!」
  
   
斉藤さん
「あ…さっきの生卵、タダじゃなかったんだ…」
      
   
  
《続く》
   
 
   

*【限定記事】公開専用*
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【あとがき】
   
 
ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。
    
  
「記憶との出逢い直し」により、
「自分に自信も、価値も感じない」という人の
   
人生の再構築をサポートする、
   
心理カウンセラーのさいとうよしゆきです。
  
   
カウンセリングにおいて、自信が無い人のご相談を専門的に受ける僕は
この、「全か無か思考」に悩まされている人に多く出逢います。
   
これ、真面目な人や、自分を責める傾向にある穏やかな人ほど、
陥りやすい思考なのですね。
   
でも、この世の中のあらゆる選択肢が2つしかないと考えたり、
たった一つの失敗で、積み重ねてきたもの全てが
0になってしまったら、寂しいと思いませんか。
   
そもそも完全な善も、完全な悪も存在しません。
真っ白も真っ黒もありません。
   
その多くがグレーであり、グレーだからこそ、
そこに、正論に囚われない人間の優しさや、温かみが生まれるのではないでしょうか。

ネガティブもポジティブも、善も悪も、光も闇もすべては表裏一体です。
  
誰の中にも、そのようなグレーの部分が存在していると自覚することで、
むやみに自分を責めることもなくなれば、付随して、他人を理解できる気持ちも深まります。
   
ぜひ、意識をしてみてくださいね。

   

この記事の著者

       
著:さいとうよしゆき《Facebookへ》
    

元精神科看護師。5000人の心のケアを担当。自身が無価値感に苦しんだ幼少期も活かし
「私には自信も価値もない」という前提が出来上がってしまう【自己否定症候群】に苦しむ人の再起を、
出逢い直しメソッドでサポートし、最終的に「次は、あなたが誰かを癒す存在になる」という目標に向かい
「あなただからこそできる、世の中のための価値」の発見までを実現するカウンセラー。
   
   
◎「自己否定症候群」改善のための、
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